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その時々の嵌りものについて、つらつらと思うまま書いています。 のんびりまったり更新中。
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Je te veux Chapter.2の続きです。

「やれやれ、二人とも行ってしまったね」
音楽室には、鳳とたくさんの動物たちが残されていた。
「まさか、君たち全部が私へのプレゼントっていうわけではなさそうだが・・・
すまないね。うちには、既に猛獣が一匹住みついているから、
君たちを飼うわけにはいかないんだよ」
猛獣とは、もちろん鳳家の居候のことだ。
「それにしても、どうしたものか・・・」
鳳が途方に暮れていると、音もなく人影が近づいてきた。
「鳳先生、お困りのようでしたら、お手伝いさせていただきます」

「本当に、今夜は月が綺麗だ」
翼の秘書である永田が、あっという間に動物たちをどこかへ連れて行き、
音楽室の掃除までしてくれたおかげで、鳳も帰途につくことができた。
校門を出るときに、ふと空を見上げると、変わらず月が笑っている。
「そう言えば・・・」
結局、明日の約束を取り付けることができなかったばかりか、
欲しいものを告げることすら出来なかったことに気付いた。
「慌てる必要はないさ」
心の曇りは既に晴れ、自分の気持ちが見えている今、
鳳は不思議と焦りを感じることはなかった。
「私は、長期戦のつもりだからね。覚悟しておくことだ、悠里」
まだ本人に向けては言ったことのない呼び方を口にして、
鳳は夜道を歩き出した。
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