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その時々の嵌りものについて、つらつらと思うまま書いています。 のんびりまったり更新中。
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鳳ルート。B6在学中。
※一部、ゲーム内容と食い違う点があります。

「わぁ~、綺麗な月!」
下校時刻を過ぎた聖帝学園。
校舎内の見回りををしていた悠里は、廊下の窓から空を見上げて叫んだ。
どこまでも続いていそうな闇の中、月が輝いている。
「お月さまが笑ってるって言うけど、ほんとね」
昔の人は、うまいこと思いつくなぁと感心していると、
向かいの校舎の一室に灯りがついていることに気付いた。
「あそこって、音楽室よね。まだ、生徒が残っているのかしら。注意しなくちゃ」
月に気を取られて、見回りが疎かになっていたことを思い出し、
悠里は歩みを早めた。

ガラッ!

音楽室の扉を勢いよく開けると、そこにいたのは鳳だった。
窓際に立ちつくし、驚いたように悠里をみつめている。
「鳳先生だったんですか」
「悠里先生・・・・・・」
「どうかされましたか?」
言葉をなくしたかのような鳳に、悠里も驚いてしまう。
「あ、あぁ・・・先生のことを考えていたら、先生が現れたから、
びっくりしただけなんだよ」
「私のことを?」
思わず悠里は赤面した。
「そう、月がね・・・今夜はとても月が綺麗だと思ってね」
「えぇ、そうなんですよね。私も、さっき見とれていました」
「いつか、悠里先生と見上げた空は、曇っていて月が見えなかったな、
などと思っていたら、先生がそこに立っていたんだよ」
「そういうことだったんですか・・・」
自分のことを考えていたと言われて、少し期待をしてしまったことを
恥ずかしく感じた。
「あの頃は、空だけでなく、私の心にも雲がかかっていた。でも、今は・・・
この夜空のように、雲一つ無い。私には、自分の心が見えているよ」
そう言って、悠里を真剣な面もちで見つめる。
「鳳先生・・・それは、どういう・・・」
悠里は、答えを待った。

「先生、リクエストはあるかな?」
しばしの沈黙を破ったのは、鳳の矛先をかえるかのような質問だった。
「リクエスト・・・ですか?」
悠里は、はぐらかされたと思ったが、それ以上の追求はやめた。
鳳が意外と頑固であることは、約10ヶ月の付き合いでよくわかっていた。
彼が、それ以上言わないということは、今はその時期ではないということなのだろう。
「今日は気分がいいんでね。ピアノを弾こうと思って、ここへ来たんだけどね。
せっかくだから、何か聴きたい曲はないかな?」
「え、いいんですか?じゃぁ・・・あ、あの曲がいいです。いつか、街で
聞こえてきた曲!」
「あの曲?・・・あぁ、ジュ・トゥ・ヴか。いいよ、じゃ、ここへ座って」
悠里を促して、隣りに座らせる。
「では、リクエストにお応えして、ジュ・トゥ・ヴ」
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