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その時々の嵌りものについて、つらつらと思うまま書いています。 のんびりまったり更新中。
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野獣の受難日。 Chapter.1の続きです。

「九影先生。お誕生日おめでとうございます」
10月6日、職員室に現れた九影に悠里は、開口一番祝いの言葉を贈った。
「おう、ありがとな。しかし、お前よく知ってたな。俺の誕生日なんざ」
「衣笠先生が教えてくださったんです。あと、もう一人・・・」
「もう一人?」
「あ、いえ、なんでもないです。・・・それで、これ、プレゼントなんですけど」
そう言って可愛くラッピングした包みを差し出す。
「ありがとよ。・・・・・・開けてもいいか?」
「はい。もちろん!」
豪快に包装紙を破り捨てると、中からいくつかの瓶が顔を出した。
「何がいいか、全然わからなかったので・・・」
それらは、プロテインやらアミノ酸が入っている瓶だった。
「いや、お前がくれるなら、何でも最高のプレゼントだ。
それに、唯一のプレゼントだろうからな。嬉しいぜ」
「そんなことないと思いますよ。ほらっ」
悠里の指さす方を見ると、職員室のドアの所で入りづらそうにしている
瞬の姿があった。
「おい、七瀬。なんか用があるなら、さっさと入ってこいや」
「よ、用ってほどのことではない」
突然、声をかけられて動揺したようだが、不機嫌を装いつつ中へ入ってくる。

「・・・・・・ほら、これやる。ハゲは、今日が誕生日なんだろ」
「だぁれが、ハゲだとぉ・・・ま、今日はいいか。ありがたく受け取ってやる」
そう言って差し出された袋を受け取る。
「瞬君がこれを?」
「七瀬にしちゃ、いやに金がかかってそうだな」
紙袋はファンシーな絵柄付き、中には豪奢なリボンがかかった箱。
倹約家の瞬にしては、大盤振る舞いだ。
「バカいえ。例えプレゼントだろうと、このオレが金をかけると思うか」
「でも、これはどう見ても・・・」
「フン。紙袋も箱もリボンも、ファンからの差し入れを貰った時の物に決まってる」
「瞬君って、そういう物全部とっておくの?」
「当たり前だろう。常識だっ」
見ると、目の前の机には、先ほど九影が無造作に破り捨てた包装紙が・・・
「あぁっ!なんてことするんだっ。こんな綺麗な包装紙を!!
・・・でも、まてよ。この部分を使って、小さい袋を作れなくもな・・・ブツブツ」
そう言って、かろうじて皺のない部分を切り取っていく。
「流石は、瞬君ね」
「ほんとですね・・・ふふっ」
気が付くと、他の教師も出勤してきていた。
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