その時々の嵌りものについて、つらつらと思うまま書いています。
のんびりまったり更新中。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カウンター
カテゴリー
最新CM
最新記事
(11/11)
(03/14)
(08/14)
(03/14)
(03/14)
プロフィール
HN:
柏木秋葉
性別:
非公開
ブログ内検索
アクセス解析
アクセス解析
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
Triangle ~第1色~の続きです。
「昔ね・・・」
しばしの沈黙の後、彼女がゆっくりと話し始めた。
「葛ちゃん覚えてないかもしれないけど・・・小学校1年の夏休みかな?
私がおたふくにかかったことがあるの」
「・・・・・・うん」
「伝染ったらいけないからって、みんなから隔離されて・・・。
痛くて、苦しくて、淋しくて・・・泣いてたら、葛ちゃんが来てくれて。
こうやって、手を握ってくれたの。あれは、嬉しかったなぁ」
「ほんと?」
「うん。誕生日も寝込んでて・・・。でも、元気になったら、二人で
お祝いやり直そうねって、言ってくれたんだよね」
「あぁ、そうそう。で、その後、俺が見事にかかってぇ、結局できなかったんだ」
「あはは。そうだったねぇ。・・・・・・元気になった?」
「うん。ありがとう」
「なぁ、内沼」
あの後、結局彼女はノリちゃんを探しに行き、自分も俺を送ると言って
きかなかったが、遅くなるし、ちゃんと責任もって家まで送るからと
ノリちゃんに諭され、渋々帰っていった。
「なぁに、ノリちゃん」
「うん。・・・俺、お前に遠慮しないからな」
「へ?」
彼の言ったことの意味はわかったが、とぼけたふりをした。
「だから、お前も俺に遠慮するなよな」
いつもと同じ放課後の図書室。
いつもと同じ三人で勉強会の途中。
「あ、俺・・・」
「俺、トイレに行ってくるわ」
「え?」
いつものようにトイレに立とうとした俺を制して、ノリちゃんが立ち上がった。
「だから、トイレに行ってくるから。さっきやったとこ、復習しておけ、な」
そう言いながら、彼が俺の可愛い従妹に目配せしたような気がした。
「・・・・・・・?」
彼の姿が扉の向こうへ消えた後、彼女が徐に口を開いた。
「あ、あのね。葛ちゃん・・・」
Fin.
しばしの沈黙の後、彼女がゆっくりと話し始めた。
「葛ちゃん覚えてないかもしれないけど・・・小学校1年の夏休みかな?
私がおたふくにかかったことがあるの」
「・・・・・・うん」
「伝染ったらいけないからって、みんなから隔離されて・・・。
痛くて、苦しくて、淋しくて・・・泣いてたら、葛ちゃんが来てくれて。
こうやって、手を握ってくれたの。あれは、嬉しかったなぁ」
「ほんと?」
「うん。誕生日も寝込んでて・・・。でも、元気になったら、二人で
お祝いやり直そうねって、言ってくれたんだよね」
「あぁ、そうそう。で、その後、俺が見事にかかってぇ、結局できなかったんだ」
「あはは。そうだったねぇ。・・・・・・元気になった?」
「うん。ありがとう」
「なぁ、内沼」
あの後、結局彼女はノリちゃんを探しに行き、自分も俺を送ると言って
きかなかったが、遅くなるし、ちゃんと責任もって家まで送るからと
ノリちゃんに諭され、渋々帰っていった。
「なぁに、ノリちゃん」
「うん。・・・俺、お前に遠慮しないからな」
「へ?」
彼の言ったことの意味はわかったが、とぼけたふりをした。
「だから、お前も俺に遠慮するなよな」
いつもと同じ放課後の図書室。
いつもと同じ三人で勉強会の途中。
「あ、俺・・・」
「俺、トイレに行ってくるわ」
「え?」
いつものようにトイレに立とうとした俺を制して、ノリちゃんが立ち上がった。
「だから、トイレに行ってくるから。さっきやったとこ、復習しておけ、な」
そう言いながら、彼が俺の可愛い従妹に目配せしたような気がした。
「・・・・・・・?」
彼の姿が扉の向こうへ消えた後、彼女が徐に口を開いた。
「あ、あのね。葛ちゃん・・・」
Fin.
PR
この記事にコメントする